「しつけ」というと、犬のしつけを連想してしまいませんか?犬は厳しく序列やルールを教え込む必要があります。
人間が上だと教え込まないと、うまく一緒に生活できません。
そして群の動物なのでいわゆる「しつけ」が有効で、人間をリーダーだと思ってちゃんと従います。
でも、猫は「しつけ」に対する考え方がまるっきり異なるのです。
猫は群に属せず単独で狩りを行う動物です。誇り高く、意に沿わない押し付けは拒否します。
猫には猫用の接し方、しつけ方があります。イメージとしては童話の「北風と太陽」です。
ピューピュー冷たい風(しつけ)を吹かすと、猫はますますコート(心)を閉じてしまうのです。
私が後悔しているのは、まだ猫を飼いはじめたばかりの頃は、「しつけ」だと自分に言い聞かせて叱ったり、禁止したりしていた事です。
のちに何匹も育てもっと伸び伸びとさせてあげても全然問題なかったんだと知りました。
むしろ、叱った事は無用なストレスを愛猫に与えただけで、のちにプラスに働いた事はほとんどないのでは、と思います。
今の私の猫との接し方は、1にほめて、2にほめる。3,4もほめて、5もほめます。
全く叱りません。何かを止めさせる事もほとんどありません。
とくに人間との信頼関係がはぐくまれる生後約2ヶ月までは、ある意味やりたい放題やらせてあげています。
それでも困った事は一度も起きていません。飼い主として経験をつむにつれ、猫が受けるストレスはより減って行き、猫との共同生活自体もより問題が無くなっています。
なにより、猫が親愛の感情をより多く見せてくれるようになりました。
そもそも猫が本能からやることを禁止することは不可能(爪とぎ・スプレーなど)なのです。
猫を自分に合わせるのではなく、人が猫の本能・行動を学んで認めつつ、しかし生活上不都合な事は工夫して他の行動にうまく誘導し、結果としてそれをやらないように仕向けます。
例えば、爪とぎはもっととぎやすいものを用意して誘導し、結果としてそこでやらないようにしつける事が出来ます。
壁紙やカーペットで爪を研ぎ始めたら、もっと猫が爪を研ぎやすいものを用意し、誘導すればよいのです。
市販のものを買ってもよいですし、古いカーペットやダンボールを加工して爪とぎ器にすることもできます。
興味を引けなければマタタビの粉をかけてあげます。
当面用意できなければ、おもちゃなどで気を引いてひとしきり遊んだあと、爪切りで爪を切ってあげます。
こうやって時間を稼ぎつつ、誘導先をつくる時間を確保しましょう。1種類の爪とぎ器がダメでも大丈夫。
猫は好みがうるさいのです。へこたれずに別の素材・形状を試します。我が家は「麻巻きタワー」なるものを買っていますが、これはどの子にも好評ですよ。
爪とぎについては「猫の飼い方 雑学知識編」コーナーの「猫の習性について」もご覧下さい。
他には、においつけに困らされた場合、環境変化が原因の事がありますので、以前の環境でにおいのついたものを多く配置してあげると収まります。
でもそれが性に目覚めたゆえのマーキングなら、去勢してあげることで、猫、飼い主ともにストレスをなくすことが出来ます。
こうやってうまく別のところに誘導できたら、そこで猫を褒めてあげて下さい。
猫には高い学習能力がありますので、ポジティブな動機付けがあれば学習して多く行うようになり、うまくしつける事が出来ます。
逆に、それ以外のしつけの方法はありません。
ネガティブな叱りつけでは効果がないうえに、信頼関係を損ねるだけです。
そして、できるだけ子猫のころから、一貫性をもってしつけます。
同じ事をしても叱ったり、叱らなかったりでは混乱させてしまいます。
我が家では人間と同じ食卓でごはんを与えた事は一度も無いので、猫たちも欲しがりません。
これが、かわいいからと子猫の頃に与えてしまうと、そこはごはんがもらえる場所だという学習をさせてしまうことになります。
のちにそれを矯正するのはお互いストレスが大きく大変です。
また憶えておいて頂きたいのは、もしどうしても叱ってしまったり、禁止しなければならない場合は、現行犯でなければ全く意味が無いと言うことです。
まさにその行為をしている最中にやめさせましょう。後で叱ったりすると、猫は行為との関連が分からないため虐待されていると解釈します。
そして、名前で怒らないようにして下さい。名前を呼ばれる事にネガティブなイメージがついてしまします。
「これ」とか「こら」とかで良いと思います。
当然ですが禁止するとき、痛みを与えてはいけません。代わりに、風を吹かせる(うちわ・息)、大きな音(手をたたく、大きな声)、水をかける(霧吹き、水鉄砲)などをどうぞ。
ちなみに多頭飼いですと、猫同士ストレスを発散し合ったり、慰めあったりしますので、ストレスが起因の迷惑行動は減ります。結果として叱る回数が少なくなります。
我が家の場合は、2年おきに1匹ずつ増えていったのですが、しつけは段々ラクになりました。また、末っ子が叱られて落ち込むと、兄2匹がやってきてペロペロ舐めてあげる光景はとても可愛いものです。
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