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猫ならではのアニマルセラピー効果も!ストレス社会の救世主に!?

猫とはたらく: 2023/05/03

女性が猫を抱っこしている写真

アニマルセラピーは猫からも効果が期待できる!

アニマルセラピーと聞くと、犬を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、猫からも効果が期待できます。
猫は犬に比べてしつけができず、性格も一匹一匹違うため、猫によっては人間が期待するセラピー効果を得られないこともあるでしょう。
無理にコミュニケーションをとろうとしても、猫が暴れて人間側もケガをする恐れがありますし、なにより猫にも大きな負担がかかってしまいます。
しかし、人懐っこい性格の子であれば、様々な癒し効果をもたらしてくれること間違いなしです。

下記、詳しくお話していきますね。

アニマルセラピーとは?

NPO法人アニマルセラピー協会によると、下記のように定義されています。

“動物との触れ合いで人々の心を癒す それがアニマルセラピーです”

(NPO法人アニマルセラピー協会|https://animal-t.or.jp/html/about-animaltherapy/more-animaltherapy.htmlより)

この記事を読んでくださっているあなたも、
猫や動物と触れ合ったあと、気づけば幸せな気持ちになっていた、というご経験はあるのではないでしょうか。
それはきっと、無意識的にアニマルセラピー効果を受けていたのかもしれません。

そんなアニマルセラピーについてですが、大きく分けて3種類存在します。
「動物介在療法」「動物介在活動」「動物介在教育」の3つです。

①動物介在療法

動物を活用した医療のことです。
アメリカやイギリスなどの先進国では広く知れ渡り、ドイツでも90%以上の医療従事者が動物介在療法の効果を認めている、と言われています。
例えば、「猫と暮らせば心身が良くなるよ」と医師に言われた場合、日本では「えっ…」となるところが、欧米では「わかりました!」となるわけです。

ちなみに、動物介在療法は医療費削減効果もあると言われており、
メルボルン大学のハーディ教授によるとペットと暮らしている人は病院毛の通院が約20%少なく、
ドイツでは年間約7,500億円、オーストラリアでは約3,000億円もの医療費削減効果があると言われています。

②動物介在活動

老人ホームなどで行われているのがこのタイプです。
動物とコミュニケーションをとることで、精神的・肉体的な健康の回復を目的としています。

③動物介在教育

不登校の子供に対して行われているのがこのタイプです。
また、授業の一環などで動物と触れ合う活動も動物介在教育に含まれます。

以上の3種類です。
一言でアニマルセラピーと言っても、いろんな考え方、活かし方がありますね。

アニマルセラピーの効果

アニマルセラピーの効果については、国内外問わず様々な研究データが発表されています。
川崎医療福祉学会誌の論文では、下記のようなことが確認されました。

認知症高齢者にAATを施行することは社会性としては周囲の人やイヌへの関心を高め,生活への潤いを増す.また活動性としてはイヌにつられて行動を起こすことにより,活動量が増え日常生活の自立度やQOLの低下を予防する.精神性としては精神ストレスの緩和やうつ状態の改善になるというエビデンスを得ることができた.(以下略)
※AAT・・・動物介在療法(Animal Assisted Therapy)

(川崎医療福祉学会誌|https://i.kawasaki-m.ac.jp/mwsoc/journal/jp/2008-j17-2/10_futoyu.pdfより)

簡単に言うと、「日常生活へのモチベーションアップ」「活動量アップ」「自立度&QOLアップ」「ストレス緩和」「うつ状態の改善」といったところでしょうか。

他にも、

    • ペットと過ごす高齢者は通院回数が少なかったり、心筋梗塞になった方の1年後の生存率はペットと暮らす人の方が3倍高い
    • 動物を育てた経験のある子どもは、他人の気持ちを思いやり、配慮する能力が高い
    • 幼少期の認知力の発達に加えて、知能指数の向上に役立つ

といった調査結果もあります。
まさにアニマルセラピーさまさまですね。

猫ならではのアニマルセラピー

猫ならではのアニマルセラピー効果も期待されています。

猫の「ゴロゴロ」音

猫は、ゴロゴロと喉を鳴らします。
この音は、私たち人間の血圧を下げる効果やリラックス効果(ストレス緩和)、免疫力をアップさせる効果があると言われています。

愛情ホルモン”オキシトシン”の分泌

猫を撫でたり眺めたりしていると、愛情ホルモンとも呼ばれる”オキシトシン”が分泌されます。
オキシトシンは脳内では神経伝達物質として働き、血液中ではホルモンとしても働く物質で、主に
「ストレスに強くなり心身ともに健康になること」「人と人の良い信頼関係にむけた潤滑油となること」「行きすぎた闘争心や攻撃性を抑制してくれること」
といった効果をもたらしてくれます。

ちなみに、犬に触れたときも同様にオキシトシンは分泌されますが、
猫に触れたときの方が分泌量が多いと言われています。

幸せホルモン”セロトニン”の分泌

愛情ホルモン”オキシトシン”自身でも効果はありますが、愛情ホルモンはそれだけにとどまらず、幸せホルモンと呼ばれる”セロトニン”の分泌を促してくれます。
セロトニンは幸福感そのものであり、心に安らぎを与え、神経を安定させる働きを持つ神経伝達物質です。
脳が心を整えるとき、セロトニンは中心的な役割を担ってくれます。
ストレスが多く気持ちが浮き沈みがちな現代社会の私たちにとって、こうした効果がもたらされるのは非常に貴重といえます。

また、とある老人ホームでは、猫に触れたお年寄りの8割の血圧が下がった、という結果が出ているそうです。
猫も、犬に負けず劣らずのアニマルセラピー効果を持っていることがわかります。

人間都合だけで考えないように

ただし、1点ご注意を。
当たり前ですが、犬や猫、そのほかの動物も、物ではなく命ある存在です。
冒頭でお話した通り、特に猫は子によって性格が大きく変わり、人間とのコミュニケーションが大きなストレスになる子もいます。
人間がうれしい効果を得られるからといって、無理やりコミュニケーションの場に引きずりだすことは絶対にやめましょう。
あくまで自然に、人間も動物も幸せな時間になるように心がけたいですね。

アニマルセラピーが活かされる場所

ここまで、アニマルセラピーと猫の関係についてお話してきました。
次に、どのような場で活かされているのかをご紹介します。

医療の現場

動物介在療法でお伝えした通り、海外の先進国を中心に、処方の一つとして広がりつつあります。
動物介在療法は近年急成長している比較的新しい分野のため、まだまだ国単位での情報格差がありますが、
日本でもうつ病などが社会問題になっている昨今、アニマルセラピーが救世主になる可能性もあると考えられます。

老人ホーム

老人ホームでもアニマルセラピー効果が発揮されています。

老人ホーム検索サイト「みんなの介護」の調査結果によると、同サイトに掲載されているペットと暮らせる老人ホーム数は、2020年では24施設だったのに対し、2022年で146施設ほどとなり、約6倍も増えたそうです。
(みんなの介護|https://www.minnanokaigo.com/news/pickup/no3/より)

アニマルセラピーの浸透やペット需要の増加に伴い、これからもペット可老人ホームは増えていきそうです。

教育の場

こちらは動物介在教育の観点です。
おもに子どもと動物を触れ合わせることで、不登校児のメンタルケアや、子供たちの思いやりの心を育みます。

家庭

「アニマルセラピー効果があると聞いたからペットを飼うことにしました!」という方はなかなかいらっしゃらないのではと思いますが、
ご家庭でペットを飼っている方は、無意識にでもアニマルセラピー効果を享受しています。

オフィス

世界にはオフィスにペットを連れてきたり、オフィスでペットを飼う企業が少なからず存在します。
アニマルセラピーの効果を考えると、ビジネスの場にペットを同伴させる、という理屈もうなずけます。
例えばアメリカでは、全企業の約17%が動物と働くことを認めており、ペット同伴出勤も可能なのが実情です。
そうした会社は近年急増しており、その中にはGoogleやAmazonなど、誰もが知る企業も含んでいます。

日本ではまだまだ事例は少ないですが、最近では富士通が愛犬と同伴出社OKになったとニュースになっていました。
https://www.fnn.jp/articles/-/417671

ねこと働く企業もあり、私たちも何件かインタビューをさせて頂きました。
https://www.officecat.jp/case/

そして、余談といいますか宣伝になりますが、
私たちは、オフィスでねこと仕事をする会社を増やそうという、通称「ねこ社員」の採用支援を事業として行っております。
ねこと働きたい方、少し気になる方、下記よりお気軽にお問い合わせくださいませ。

お問合せはこちらから
https://www.officecat.jp/contact/

アニマルセラピーの昔と今とこれから

現代のアニマルセラピーの礎を気づいたのは、心理学者のボリス・レビンソンだと言われています。
そんな彼は、60年前に初めて自説を学会で発表した時、下記のように語っています。
「私たちは、ペットが子どもにとってだけでなく、大人にとっても重要な存在であるという事実を見逃しがちです」
当時、この発表は他の学者から嘲笑され、軽蔑的な発言さえされたといいます。

しかし、すでにお話した通り、欧米ではすでにアニマルセラピーがれっきとした医療と考えられています。
日本ではまだ「動物で治療なんて、、」と思われてしまいそうですが、何事も新しい考え方には過渡期が存在するもの。
近い将来、その考え方は変わっているかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?
アニマルセラピーは医療の現場に限らず、癒しを必要とするすべての人にとって等しく有用なものです。
そして猫は、私たちに対して様々な癒しをもたらしてくれます。
猫を飼っている方もそうでない方も、この記事を読んだ後、ぜひ癒し効果を意識しながら猫と触れ合ってみてくださいね。


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